Linuxゲリラ戦記

でびあん。

左を向いているペンギンみたいなキャラクター、ナックス

Debian GNU/Linux lennyのインストール方法(GNOME編)

最近新しくパソコンを買いました。「Linuxも入れんとなー」と、Debian GNU/Linuxを入れました。というわけで、良い機会なのでDebian GNU/Linuxのインストール方法を解説いたします。(今回はハードディスク全体を使ったインストールの方法ですので、もし一つのハードディスクしかパソコンに無い様でしたらWindowsが消えてしまうインストール方法です。「CドライブとDドライブの二つのハードディスクがあるから大丈夫だぜ!」っていう考え方は間違いで、そういう場合は大抵一つのハードディスクをCドライブとDドライブに分けているだけです。というわけで、「何もデータの無いハードディスクが確実に一つあるよ」っていう人か「Windowsとおさらばするよ」っていう人だけこのやり方で試してね。「ハードディスクが一つしかないけどLinux試してみたい……」っていう人は簡単にWindowsとマルチブートできるUbuntuとかお勧めです。)

まずはDebianのウェブサイトへ行きます(Debian JP Project - Debian JP Project)。

左側のメニューの『Debianの導入と利用』と書いている下の始めの一歩をクリックします。

インストールCD(470MB)インストールDVD(4.4GB)お試し用Live CD(Lenny LiveCD 690MB)というリンクがあります。今回はインストールCD(470MB)からインストールしてみましょう(isoイメージに直接リンクを貼ってしまっていますが、情報は2009年11月21日現在のものです。より最新のバージョンが出ているかもしれないので、できればDebianのウェブサイトからisoイメージを入手してください)。

まずはこのインストールCD(470MB)をダウンロードします。まだインストールは始まらないので、普通のソフトのようにダウンロードして構いません。

さて、Linuxをインストールしようとすると良く「isoイメージ」という名前を聞きます。isoイメージとは何でしょう?さてはイメージという名前から、画像ファイルか?

isoイメージファイルとは、(ググったところ)複数のファイルやフォルダを一つにまとめたものの用です。つまり、「情報が一杯詰まったファイル」という認識で大丈夫です。画像のファイルでは無い様ですね。意味が良く分からなくても、インストールは出来るので「分からんわ、ボケー!」って思いながら先へ進みましょう。

さて、インストールCD(470MB)という名前からして、実はこのダウンロードしたデータを空っぽのCDに入れないといけないんです。

「空っぽのCD?」つまりデータが入っていないCDのことです。「そんなもの売ってるの?」売ってます。電気屋さんでも、ミュージックショップでも、多分TSUTAYAでも売ってます。amazonでも売っているので、好きなところで購入しましょう。

ちなみに、CDにはCD-Rという種類とCD-RWという種類があります。CD-Rは、一度データを入れると二度と消せません。大切な思い出のデータなどを入れましょう。CD-RWは、一度入れたデータを消して、また別のデータを入れる……つまり、何度でも使うことが出来ます。Linuxのisoイメージを入れるCDはどちらでも構いませんが、データを入れるのに失敗してもやり直しが聞くCD-RWがお勧めです。

さて、CDにデータを入れる方法ですが、普通にWindowsの機能を使ってデータを入れてはいけません。ちゃんと「isoイメージファイル(iso画像ファイル)」という形式でデータを入れないといけないのですが、Windowsのソフトにはその機能が無いからです。

しかしご安心ください。Windowsにも、iso形式でデータをCDに入れることが出来る無料ソフトウェアはたくさんあります。CD/DVDライティング他/FreeSoftNaviなどから探してみてください。

なお、Linuxのインストール方法を解説しているサイトで良く「データをCDに焼き付けてください」と書いていますが、これは「iso形式でデータをCDに入れてね」と同じ意味です。マッチやライターを用意しなくても大丈夫です。

さて、CDにデータを焼き付けたら、次は遂にインストールです。が!その前にWindowsのバックアップを取っておきましょう。パソコン購入時の説明書を読んでみてください。「Windowsのリカバリディスクの作成方法」などという表記でWindowsのデータが壊れてしまった時の修理のためのCDの作成法方が書かれています。この説明書どおりにWindowsのリカバリディスクを作成して、万一Linuxのインストールに失敗して、かつWindowsのデータが壊れてしまったときのために備えて置きます。リカバリディスクだけでなく、データのバックアップもとっておけば、Windowsのインストール(リカバリディスク)と、今あるデータの復旧(バックアップ)もでき、より安心です。また、説明書を読みながら自分で作成しなくても、最初からリカバリディスクが用意されているパソコンもあります。なお、リカバリディスクを用意せずにLinuxをインストールしようとするのは自殺行為です。やめておきましょう。

さてWindowsのリカバリディスクを用意すればもう安心。「Linuxのインストールに成功したけどLinux使いこなせないよ。Windowsに戻りたいよ」って言う時もリカバリディスクを使えばすぐにWindowsに戻れます。大船に乗った気持ちでLinuxを入れたCDをパソコンにセットします。

インストールは始まりません。実はLinuxとはCDを入れたままパソコンを再起動することで自動的にインストールが始まるという、変態なソフトウェアなのです。「なんて変なソフトだ」などと思いながらパソコンを再起動しましょう。また、インストールはインターネットを使って行います。LANケーブルがきちんとつながっているか今一度確認しましょう。また、無線LANでネットにつないでインストールすることは推奨されていません。無線はケーブルでつなぐよりも不安定だからです。いつも無線LANを使っている人は「無線の方が便利なのに……」などと文句をたれながらケーブルをつなぎましょう。

Debianのデータを焼き付けたCDを入れたままパソコンを再起動すると以下のような画面が現れます。

Debianインストールトップ画面

なんだかカッコいい画面ですね。メニューが矢印キー↑↓で選べますが、今回は「普通にインストール」ということで一番上の「Install」を選びます。

言語の選択

英語で何やら書かれていますが要するに「何語でインストールするの?」って聞いてきております。矢印キーで「Japanese-日本語」を選んでEnterキーを押しましょう。

キーボードの設定

「キーボードは何を使ってるの?」って聞いてきています。実は、国によってキーボードの種類が違うんですね。私たちは日本のキーボードを使っているので「日本(106キー)」を選んでEnterキーを押します。

ホスト名の設定

なにやらインストールし終わったのち、「[1]ネットワークの設定」です(この前にネットワークケーブルを2つ以上つなげている人はどちらのケーブルを使うか聞かれるかもしれませんので、使用したいケーブルを選んでください。また、無線LANの機能を持つパソコンでケーブルを使ってインストールしたい場合は(恐らくですが)eth〜というものとath〜という選択肢が出てると思いますが、eth〜がケーブルでath〜が無線の方ですので、eth〜を選択してください)。「このシステムのホスト名を入力してください……」などということが書かれていますが、初心者の私たちは「ホスト」と言えば「銀座のホスト」くらいしか分かりません。でも大丈夫!おそらく最初から「debian」と記入されていますが、ホスト名をいじる必要がある人は大体「ホストとは何であるか」が分かっている人だけです。というわけで「debian」のままでオッケーです。Tabキーを押すと、「続ける」というメニューが選べますので「続ける」を選んでEnterキーを押します。

ホスト名の設定・続ける

ドメイン名の設定

次は「ドメイン名の選択」と出てきます。次は最初から何も書かれていない!どうしよう!ピンチ!が、まぁここは無難に「localdomain」と入力しておきましょう。localdomainで大抵大丈夫です。なお、ホスト名とドメイン名はインストール後にも変更可能です。

ドメイン名の設定・localdomain

ドメインの設定が終わると、次はパーティショニングの設定です。

どのようにLinuxをインストールしますか?

「ハードディスクにどんな感じでLinux入れようか?」って聞いてきています。ハードディスクとは、データの入れ物のことです。今回はハードディスク全体を使います。

つまり、既にあるハードディスクのデータは消えてしまいます。ハードディスクが複数パソコンの中に入っている人は、目的のハードディスクを選ぶことで、他のハードディスクのデータを消さずにインストールすることが出来ます。ハードディスクが一つしかなく、かつそのハードディスクにWindowsが入っている人はWindowsが消えてしまいます。「やっぱりインストールやめておこう」って思ったら、Tabキーで「戻る」を選択してEnterキーを押し、メニューがずらっと並んでいる中の一番下「インストールの中止」を選びます。「インストール途中でインストールを止めると危ないよ?」と警告が出ますが、まだハードディスクにデータを入れていない状態なので大丈夫です。そのまま「インストールをやめる」を選ぶと、パソコンの電源が切れて自動的に再起動します……ので、パソコンが再起動した直後にすぐにCDを取り出してください。じゃないと、またパソコンがCDからデータを読み込んでLinuxのインストール作業を始めから行おうとしてしまいます。

なお、事前にWindowsのリカバリディスクを用意している人は、Linuxをインストールしてしまった後でも、あとからLinuxを消してWindowsを入れ直すことが出来ます。

というわけで一番上の「ガイド-ディスク全体を使う」を選んでEnterキーを押します。

どのハードディスクにLinuxをインストールしますか?

パーティショニングをするハードディスクの選択です。一つのハードディスクしかパソコンに無い人は一つしか選択肢がありません。複数のハードディスクがパソコンにある人は、Linuxを入れたいハードディスクを選択してEnterキーを押します。

ハードディスクにどのようにLinuxをインストールしますか?

パーテションの分割方法を聞いてきています。Windows風に言えば「CドライブとDドライブに分ける?」って聞いてきています。今回は「初心者ユーザーには推奨」とコメントが書かれている一番上を選択します。

ハードディスクにどのようにLinuxをインストールしますか?

パーティションの最終チェックです。「こんな感じでいいかな?」って確認してきています。私の場合は「スワップ18.4GB!?ありえへんわ!」とか大阪弁でツッコミをいれられそうですが、なんかもう何もかも面倒くさいのでこのままいきます。「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」を選択してEnterキーを押します。

ハードディスクの初期化

実際にハードディスクのデータを初期化しているようです。

rootのパスワード

次はrootユーザーのパスワードを入れやがれって言ってきています。rootユーザーとは、Linuxのすべてのパワーを自由に扱うだけの力をもった使用者のことです。凄そうですね。もちろんrootユーザはLinux初心者でもなることが出来ますが、rootユーザーの力は強すぎるので、rootユーザーになるにはパスワードを入力しないとなれないようになっています。そのパスワードを決めろと言ってきているんですね。好きなパスワードを入れましょう。

rootのパスワード・入力中の文字は全て*と表示される。

なお、入力中の文字は画面を盗み見られても大丈夫なようにすべて「*」で表示されます。「な、なんだ?どのキーを押しても*と入力されてしまう……。ここまできてパソコンが壊れたのか!?」と慌てなくても大丈夫です。あなたには「*」と表示していますが、パソコンの内部ではあなたがどのキーを打ったかをきちんと判断しています。

入力が終わって次のステップへ進むと、「もう一度rootのパスワードを入力してね」って出てきます。

rootのパスワードをもう一度入力する。

これは、先ほどのパスワードとまったく同じパスワードをもう一度入力します。初心者の場合は「なんでさっき入力したのにもう一度入力しないといけないんだろう……」って思うかもしれませんが、例えば一回目の入力のときに「songokuu」と入力したつもりが、実は「songojuu」と間違って入力してしまっているかもしれないじゃないですか。でも人間に見せている表示画面での文字は全て「*」だから人間は確認できない。でも、もう一度同じパスワードを入力させる(例では「songokuu」と入力する)ことで「あ、さっきと入力した文字が違う!さてはさっきは間違えて別のボタン押したな!」ってパソコンが気づいてくれるんです。ちなみに、もし先ほどのパスワードと違うパスワードだった場合はもう一度2回rootパスワードの記入を求められます。

次に進むと「ユーザーの名前をいれてね」って出てきます。

ユーザーの本名を入力する。

Linuxを使う人の名前のことですね。「本名を入れることを推奨します」と書かれているので、出来れば本名を入れましょう。申し訳ございませんが、ひらがな・カタカナ・漢字は使えません。ローマ字で入力しましょう。昔学校で「外国では名前が先で名字が後なんだよ」って教わったと思います。Debianの総本山も外国にあるので、外国流に習って名前を先、半角スペースを一文字開けて名字を書きましょう。なお「Linuxを一人だけで使うんじゃなくて複数人で使いたいんだけど」っていう場合はあとからユーザーを増やせますので、今回はとりあえず代表一人の名前でも入れておきましょう。その後、次に進みます。

「Linuxのユーザー名を入れてね」って出てきます。

ユーザーアカウントを入力する。

これは、先ほど入れたユーザーの本名とは別に、Linuxにログインする時に使うユーザー名です。先ほど入力した本名の名前部分を使うのが一般的ですが、お望みなら本名とは全く関係の無いユーザー名を使うこともできます。好きなユーザー名を入れて次に進みます。

次は「ユーザーのパスワードを入れてね」って出てきます。

ユーザーのパスワード

rootユーザーだけでなく一般ユーザーもLinuxを使うときにパスワードを入力する必要があります。rootユーザーとはまた別の好きなパスワードを入力して次に進みます。

ユーザーのパスワードを入力する。

「もう一回同じパスワードを入れてね」って出るので、もう一回同じパスワードを入れます。

ユーザーのパスワードを再度入力する。

ユーザーのパスワードを再度入力する。

次に進むと「デビアンのアーカイブミラーを選んでね」って出ます。

アーカイブミラーの選択

Linuxではソフトをインストールする時にネットからインストールするのですが「そのダウンロード元の国はどの国のを使いますか?」ってことです。日本に住んでいる場合は「日本」を選べば問題ないでしょう。

日本のどこを使うか選択

「日本のどのダウンロード元を使う?」って聞いてきています。事前に使いたいダウンロード元を調べておくのも手ですが、「いや、詳しくないし……。どこでもいいや」っていう場合は一番上の「ftp.jp.debian.org」を選びましょう。

次に進むと「HTTPプロキシがなんやらかんやら」って聞いてきています。

プロキシの設定

これも「HTTPプロキシがなんであるか」を知っている人だけが設定するところです。私たち初心者には意味不明なので何も入力せずに次に進みます。

次は「Linuxディストリビューション人気コンテストでどのディストリビューションが一番使われているか(人気があるか)コンテストしてるんだけど、協力してくれない?」って聞いてきています。

ディストリビューション人気コンテスト

が、面倒くさいので「いいえ」を選んで次に進みます。

次はソフトウェアの選択です。インストールするソフトウェアの種類を選択出来ます。[*]デスクトップ環境・[ ]ウェブサーバのように[]の中に*が入っているのが「インストールするよ」って選んでいるやつです。矢印キー↑↓で選んでスペースキー(キーボードの一番手前側の細長いボタン)を押すことで*マークをつけたり外したりできます。インストールしたいソフトウェアに*マークをつけましょう。

おそらく、初心者の皆さんでデスクトップパソコンにLinuxを入れる場合は「デスクトップ環境」と「標準システム」をインストールすればいいでしょう。

デスクトップ環境と標準システムを選択する

ノートパソコンにLinuxを入れる場合は「デスクトップ環境」と「ラップトップ」と「標準システム」をインストールすればいいでしょう。「ラップトップ」とはノートパソコンのことです。

デスクトップ環境とラップトップと標準システムを選択する

標準システムだけをインストールすることも出来ますが、初心者の方にはお勧めしません。

標準システムを選択する

なお、ここでインストールしなかったものも、後からインストールしたい時にインストール出来るので深く悩まなくて大丈夫です。インストールしたいものに*マークをつけたらEnterキーを押すなり、Tabキーで<続ける>を選んでEnterキーを押すなりして次に進みましょう。

ここからしばらくはパソコンがネットから必要なソフトをダウンロードします。かなり時間がかかるので、お茶の時間にして気長に待ちましょう。

インストールが完了すると「GRUBをインストールしませんか?」と出てきます。

GRUBのインストール

GRUBとは、Linuxを起動したりマルチブート環境のためのなんやかんやです。とりあえずインストールしておきましょう。

GRUBのインストールが終われば、Linuxのインストールも完了です。おそらく自動的にパソコンのCDの部分が開きますのでCDを取り出し、CDの部分を閉めて、続けるを選択します。するとパソコンが自動的に再起動します。CDを入れたままパソコンを再起動すると、またパソコンがCDからデータを読み込んでLinuxのインストールを開始しようとしてしまいますので、忘れずにCDを取り出しましょう。もしそうなってしまっても、再びインストールしようとはせずパソコンの電源ボタンの長押しなどでパソコンの電源を切り、再度電源を入れて、パソコンがCDからデータを読み出そうとする前にすぐにCDを取り出しましょう。インストールデータ自体は既にハードディスクに入っているので大丈夫です。

再起動するとこんな感じの画面が出ます。

Debian再起動

細かい箇所は違うかもしれませんが気にしないで一番上を選んでEnterキーを押します。また、わざわざ選ばなくても一定時間が過ぎれば自動的に一番上を選んだ状態で起動します。この一番上こそ今インストールしたDebian GNU/Linuxなのです。

あとは「ユーザー名入力してね」とか「パスワード入力してね」とか出てきますので、インストール時に入力したユーザー名とパスワード(rootでは無い方です)を入れてEnterキーを押せば、Debian GNU/Linuxのデフォルトのデスクトップ環境GNOMEが起動します。GNOMEのデザインはmacに近いといわれていますが、Windowsユーザーでも問題なく操作できます。以上で終わりです。