Debian GNU/Linux lennyのインストール方法(KDE編)
先日はGNOMEデスクトップ環境でDebianをインストールする方法をお教えしましたが、今回はKDEデスクトップ環境でDebianをインストールする方法をお教えします。
ただし、現在のDebian lenny(安定版)の正式なKDEのバージョンは3であり、私が実際に試したのは、ややイレギュラーな方法でインストールしたバージョン4です。
一応、KDEバージョン3のインストール方法も何となくは分かるのですが、自分で実際に試していないものを解説するわけにもいかないので、バージョン3に関しては一番下の補足で、文字通り補足程度にご説明したいと思います。
ちなみに、テスト版、および不安定版では普通にKDE4がインストール出来るので、特に事情が無ければ安定版のままKDE4にする意味は無いかもしれません。私も特に事情は無いのですが、そこに安定があれば私は安定に寄り添う男ですよ。つまらない人間ですよ。ええ。テスト版・不安定版でインストールできるKDEは4.3ですが、安定版では4.1です。というわけで私もそのうち気が向いたらテスト版にするかも……。
なぜ先日GNOMEデスクトップ環境のインストール方法解説時にGNOMEを使っている画像が無かったかというと、今KDEを使っているからなんですね。へー。
また、今回は最小インストールからのKDE環境の構築ということもあり、CUIをバリバリ使いますので初心者の方には難しすぎて出来ないと思います。ごめんなさい。
というわけで、まずは前回のDebian GNU/Linux lennyのインストール方法(GNOME編)を参考にしながらソフトウェアの選択まで進み、標準システムのみインストールします。
あとはそのまま普通にインストールを完了させ、普通にDebianを起動します。
黒い背景に白い文字、CUI環境が立ち上がります。
まずは一般ユーザーのユーザー名とパスワードで普通にログインします。
今回はKDE4をインストールしたいのでソースリスト(/etc/apt/sources.list)の編集を行い、KDE4をインストール可能にしたいと思います。/etc/apt/sources.listを編集するためにはrootユーザーにならなければなりません。
$ su -
ここで、「パスワード(を入力してください)」の文字が文字化けしている事に気がつきます。日本語環境でインストールしたので、Linuxさんは頑張って「Password」ではなく「パスワード」と表示しようとしてくれたのですが、CUI環境のために上手く日本語が表示出来なかったんですね。念のために環境を一時的に英語にしておきましょう。
# export LANG=C
その後、/etc/apt/sources.listを編集します。
# vim /etc/apt/sources.list
私は書き変えをvimで行いましたが、vimの代わりに(恐らく)nanoエディタでも書き変え可能です。
# nano /etc/apt/sources.list
デフォルトの/etc/apt/sources.listをKDE4を使うためのバックポートを追加した/etc/apt/sources.listに書き変え、保存します。
その後、ソースリストの更新を行います。
# aptitude update
おそらくapt-getコマンドでupdateをしてもいいのですが、Debianがaptitudeを推奨していることですし「aptitude使おうよ」って思います。
アップデートが終わったらKDE4をインストールするのですが、普通にKDE4をインストールしてはいけません。なぜなら我々は安定版を使っているからです。安定を得る代わりに、新しさを犠牲にした……。そんな安定版でkde4をフルでインストールしてしまうと、いくつかの依存環境が壊れてしまう可能性があります。
そこで、kde4を最小でインストールした後、あとから必要なものが出てきたらその都度インストールを行うという手法を行います(この手法が推奨されています)。
# aptitude install kde4-minimal xorg
私の場合、何となく一緒にxorgもインストールしましたが、わざわざ指定しなくてもkde4-minimalをインストールするだけでxorgも自動的についてくるかもしれません。が、まぁ指定しても損は無いので指定するがいいさ。
ちなみにインストール途中に警告が出ますが、このバックポートを提供しているサイトによると「キーリング用意してないから、悪いけどそのまま使ってくれ」って書いています。というわけで警告の「本当にインストールしていいの?」にはYesと答えてやりましょう。
ごくごく普通にインストールが終了しますので、再起動でもしてみましょう。
# shutdown -r now
「kdmもインストールすれば良かったかなー」とか思いながら再起動すると、GUIのログイン画面が表示されます。どうやらkdmもインストールしてくれている様ですね。
Debianにはありえないくらいのおしゃれさです(いや、KDE4がおしゃれなんですけどね)。
まずはKDE4の日本語化を行いましょう。
左下のKメニューから Applications -> System -> Terminal から仮想CUI環境を立ち上げます。
そんでもって、KDE4の日本語パッケージをインストールします。
$ su -
# aptitude install kde-l10n-ja
警告が出てしまうのはもはや仕方がない、と思いながらもインストールします。
インストール後、再起動を行えばメニューが日本語化されていると思います。
次は日本語を入力出来るようにしましょう。再びターミナルを立ち上げrootユーザーになった後に以下のものをインストールします。
$ su -
# aptitude install scim-anthy scim-qtimm scim-bridge-client-qt
念のためにインストール後に再起動します。
その後、SCIMの設定をします。現在、Ctrlキーを押しながらスペースキーを押すことでSCIMが起動(要するに日本語が入力できる状態)するのですが、これを半角/全角キーを押したときにもSCIMが起動するように設定したいと思います。
左下のKメニューから アプリケーション -> 設定 -> SCIM入力メソッドの設定 を選びます。
するとこんな画面が表示されます。
左側のメニューから「全体設定」を選びます。
キーボード配列が設定されていない場合は日本語キーボードを設定します。
次に、開始/終了となっている部分の一番右の四角をクリックします。開始/終了とは、SCIMをどのキーを押したときに開始するかを設定するものです。
以下のような画面が出ます。
キーコードの一番右の四角をクリックします。
すると「キー(もしくは複数のキーの組合せ)を押してください。キーをリリースするとこのダイアログは閉じます。」と出てきます。
分かりにくい表現で書かれていますが、要するに「(SCIMの開始/終了に使いたい)キーを押してね」ってことなので、半角/全角キーを押します。
半角/全角キーを押すと、先ほどの「キー(もしくは複数のキーの組合せ)を押してください。キーをリリースするとこのダイアログは閉じます。」のダイアログは宣言したとおり閉じます。「有言実行のダイアログさんってかっこいいなー」と思いながら画面に注目。キーコードの中に「Zenkaku_Hankaku」という文字が表記されています。
その状態で「追加」ボタンを押すと、上記の「設定済みのキー」に「Zenkaku_Hankaku」が追記されます。
その後、「OK」->「適用」->「OK」と選びます。
「すぐに有効にならない設定項目があります。すべての変更を有効にするにはSCIMを再起動してください。」と出ますのでOKを選びます。
この後は文字を入力するところで半角/全角キーを押すだけでSCIMが起動します。もし上手く起動しない場合は一度Linuxを再起動してみてください。
さて、ここから先はお好みでの設定です。やりたくなければ特にしなくても構いません。
KDE4のデフォルトでのウェブブラウザがKonquerorなのですが、やはりIceweasel(FirefoxのDebianバージョン)が欲しい!というわけで、iceweaselの日本語版をインストールします。
$ su -
# aptitude install iceweasel-l10n-ja
iceweaselの日本語化パッケージをインストールするだけでaptitudeが自動的に依存関係のあるiceweasel本体やその他をインストールしてくれます。
次はflashのインストールですが、これに関してはDebian LennyのIceweaselでYoutubeを見るを参考にしてください。
最後は音声です。flashインストール後、youtubeを見れるようにはなったのですが、音声が出ませんでした。音声に関しては各パソコンで解決方法がまちまちだと思いますが、とりあえず私が行った方法を記述しておきます。
まず、alsa-baseをaptitudeでインストールしました。
# aptitude install alsa-base
その後、alsaにデバイスを認識してもらうためにrootユーザーからalsaconfコマンドを打ちました。
# alsaconf
このコマンドを実行する事で、音声デバイスに関してどのデバイスをつかうか選択肢を選ばされます。後は確か、確認のためにOKを選ぶだけだったと思います。私は選択肢もデフォルトのものを選択したので、本当にEnterキーを押すだけでalsaの設定が済みました。恐らくCUI環境からKDEを問題なくインストールされた皆さんなら、特に問題なくalsaconfによる設定も行えると思います。
この設定後に音は出るようになったのですが、音量調整のためのアイコンやメニューがどこにも存在しなかったため、KDE4のデフォルトの音量調整ソフトkmixをインストールしました。
# aptitude install kmix
この後、Kメニュー -> アプリケーション -> マルチメディア -> サウンドミキサー(KMix) というメニューが出来ていたので、それをクリックしてみました。すると、しばらく時間がかかった後に自動的に右下に音量調整のアイコンが出てきました。試したところ、無事に音量調整できるようです。
以上で基本的なDebian GNU/Linux Lenny(安定版)でのKDE4の設定は完了です。お疲れさまでした。