1.そもそもLinuxとは何ですか?
デビー君「やったぜ!兄ちゃんから古いパソコンをもらったぜ!Windowsが壊れてるって言ってたけど、まぁちょっと遊ぶくらいなら大丈夫だろう。スイッチオン!」
デビー君「……うーん。電源は入るけどうまく動かない。残念。やっぱり壊れてるのかー」
ナックス「ちょっと待ったー!」
デビー君「だ、誰だ!?」
ナックス「通りすがりのペンギン、ナックス君です。デビー君。そのパソコンはまだ使えますよ?」
デビー君「え?だって、ウィンドウズが壊れてたらパソコンはもう動かせないじゃないか」
ナックス「Linuxを入れればいいんです」
デビー君「リナックス?Linuxって一体何だ?」
ナックス「デビー君はアップルという会社が売っているパソコン『Mac』を知っていますか?」
デビー君「あのりんごのマークのパソコン?ウィンドウズのパソコンとちょっと違うよね」
ナックス「そうです。デビー君がいつも使っているようなウィンドウズ。そして、あのマック。それと同じようにリナックスという無料のパソコンがあるのです」
デビー君「え!?無料!?どこの電気屋さんで配ってるの?そのパソコン」
ナックス「リナックスというパソコンは電気屋さんで配られているわけではありません。あなたのその壊れたパソコンにリナックスを入れることが出来るのです」
デビー君「え?何を言ってるの?これはウィンドウズのパソコンだよ?」
ナックス「多くの人が勘違いをしていますが、パソコンはあくまでも入れ物です。その入れ物の中に『ウィンドウズ』というソフトや『マック』というソフトが入っているのです。なので、デビー君のパソコンは正確に言えば『ウィンドウズが壊れてる』のであって『パソコンが壊れてる』わけではありません」
デビー君「へー。そうなんだ」
ナックス「でも、『ウィンドウズ』というソフトや『マック』というソフトは無料ではありません。しかし!なんと!『リナックス』というソフトは!無料なんです!」
デビー君「よーし。じゃぁ、早速その『リナックス』とやらをこのパソコンに入れよう!どこで手に入れればいいの?」
ナックス「小さなお店ではあまりLinuxは売っていません。大きなお店やマニアックなお店に行くと、たまに売っています。そして、なぜか、パソコン屋さんよりも、本屋さんでの方が多く売っていたりします。『Linux解説本』などという本に、オマケでインストールCDがついているのです。」
デビー君「え?『売られてる』の?無料じゃないの?」
ナックス「おっとすいません。説明が足りませんでした。Linuxを手に入れるには、もちろんパソコン屋さんや本屋さんで購入してもいいのですが、無料でLinuxをダウンロードして空のCDに焼き付けて、そこからインストールすることもできますし、マニアックな所ではネットワークインストールもできます。また、最近ではVMwareという仮想ソフトを使って、Linuxを楽しむこともできます」
デビー君「よーし。じゃぁ、お兄ちゃんのパソコンを借りて空のCDにLinuxを入れてそこからこのパソコンにインストールだ!」
ナックス「ちょっと待ったー!」
デビー君「うわっ!今度は何?」
ナックス「実はLinuxには色々な種類があるのです」
デビー君「種類?」
ナックス「Linuxというのは、正確にはプログラムとパソコンがどう連携して動くかという『基礎部分』のソフトのことです。つまり、土台だけ」
デビー君「土台だけ?」
ナックス「しかし、Linuxを作った偉いおじさんは言いました。『好きにいじっていいよー。無料で配ってもいいよー。なんならお金をとって売ってもいいよー』と。そこで世界中のプログラマがそのLinuxをいじって、Linuxという土台の上で動くあらゆる種類のプログラムを作り、時には土台のLinuxすらもイジり倒し、それぞれに『これ、俺が作ったLinux!クールだろ?』『これ、私が作ったLinux!かわいいでしょ?』『これは拙者が作ったLinuxでござる。渋いでござろう?』と、色々な種類のLinuxが出来上がったわけです」
デビー君「へー」
ナックス「それらのLinuxの事をディストリビューション(配布物)と言い、『俺、このLinuxディストリビューション使ってるんだー』『私は佐藤さんが作ったリナックスディストリビューションを使っているの』『拙者は殿がお作りになられた、「おにぎりLinux」というディストリビューションを使っておる』というようになります」
デビー君「なるほど。じゃあ、僕みたいな初心者はどのLinuxディストリビューションを使えばいいの?」
ナックス「次回、初心者にお勧めのLinuxディストリビューションは?に続きます」